冬を感じること
冬の訪れを感じる瞬間は人それぞれだろう
ある朝外の空気に触れた時の冷たさであったり
夜の空気の匂いが変わったことであったり
自分の場合は、その昔スノーボードがブームであった頃
真夏に各雑誌がこぞって出版していたカタログ号と呼ばれた
業界資料本が送られてくるタイミングで今年も始まったと
わからされていたのだが、ブームが終焉し成熟した冬の行動としての
スノーボードもしくはその生活と生き方がサーフィン的な人々の
アプローチがスノーサーフと呼ばれだした頃から
文化的いわゆるカルチャーとしての雪山の滑りが理解されてきた
そしてそれも流行りという意味で言うならば、大人が嗜んでも
恥ずかしく無い、高尚な香りをまとった遊びとして、少し体力は
低下した分、生活経験値と社会的に成功した経済力を味方に
シーンの主流を作り出していると理解しているのだが
概ね間違いは無いと思う
そんな時代背景の中この何年か夏の終わるまさに季節の入れ替わる
タイミングで出版される2冊の雑誌がある
この雑誌が手元に届くことでシーズン到来と宣言されているわけだが
それぞれの内容はとても面白く、かたやアドベンチャー的紀行文中心
かたや毎回ニッチな部分を掘り下げる作り方で読ませる内容となっている
写真の綺麗さや作り込み方はさすがにこの業界に長く住み着いている
編集者らしく、さりげなくテーブルの上に置いておいても様になる
おしゃれな作りだと思う
僕の冬を感じる一つのランドマークがこのタイミングで
自分の生業としているスノーボードのエッジシェイプと
パラフィンを使った磨き込みが待った無しの季節となったことを
知らせてくれる、台風の季節なのだが一気に冬山に意識を持っていかれる
このそわそわした気分はけっして悪くは無い
半年間忘れていた白いなめらかな表面を削り取り滑走する季節がやってくる
僕がシェイプさせていただいた板で滑っていただいた時の感触は
どれほどのものだろう、最高の瞬間を共にできるように
スノーボードに忠誠を誓って今日もチューンに意識を集中します
MAGICFILEMAN